Sunshineママ



Sunshineちゃんは花の女子高一年生。思春期特有の「お箸が落ちても可笑しい」といった底抜けの明るさとも、或いは「物想いに沈み、人生をはかなみ」みたいな憂愁や苦悩とも無縁に、それでも精一杯彼女らしく生きています。

 彼女の場合、生後9ヶ月から10年間も病院にかかっていましたが、何等かの障害がある、という事実以外何もわかっておりません。言わばレッテルの無い障害児です。病院のカルテには病名が書かれているのでしょうが、告げられることはありませんでした。

 その当時、きっと私は憔悴し、切羽詰った顔をしたお母さんだったのでしょう。事実を告げる事に危惧を抱いたドクターの判断だったと思いますが、未だに?なんて間が抜けていますよね。

 Sunshineちゃんは6歳まで話ができませんでした。正確に言うと1歳頃には「オンモ」「クック」「バイバイ」等言葉もあり、誰にでも愛想の良い愛嬌のある子でした。それが気がつくといつの間にか頑なに口を閉じ、挨拶はおろか視線も合わない子になっていました。

 初めての子でしたのでそんなこともあるのかな、みたいな認識の無さでしたが、たまたま他のことで通っていた病院に相談したところ、今度はその事で通うようになりました。

 病弱で熱が出やすく、40度を超えるような日が6日も7日も続く質の子でした。後にやはり出先でこの様な熱が出た時、言葉が話せないことが判った救急病院の先生から、熱性けいれんを起こした事が無いか、言葉がなくなったのはその後ではないかと聞かれました。

 実はそれまで、密かにその事を気にしておりました。丁度1歳半になった頃、初めての熱性けいれんを起こしていて、時期的に符合します。主治医の先生は関係ないとおっしゃっていましたが、他に原因らしい事も思い当たらず、もしかしたら、と言う気持ちはずっと持っていました。そして今はそれも発症の要因の一つになっていると考えています。

 状態は知能障害と運動障害があり、普通教育を受けてはきたものの、ボーダーラインに少し足りない位でしょうか。その分は持ち前の頑張りで補ってきたと言えると思います。

 とにかくピュアで、楽天的で、愛すべき人柄ではありますが、機知と要領に恵まれない分、友人関係は余り上手くいきません。特に中学、高校ともなりますと、話題に乏しい、考えが幼い、等で相手として物足りないのでしょうか。深く付き合える友だちができません。一人っ子と言う事もあって、絶対的な対同年齢児交友不足、且つ経験不足で、いつも何かしら人恋しいSunshineちゃんがいます。

 学業についても、そろそろ努力で補うと言う段階ではなくなってきました。範囲のあるテストでは発揮できる俄か知識も、定着する事が無いのですぐ失ってしまいます。基礎学力が身につかないので、範囲の無いテストはお手上げです。

 今、私の悩みは、Sunshineちゃんの将来のことです。文も書けず読めず、深く物事を見る事も、人を疑って警戒する事も、何処かに置いてきてしまったSunshineちゃんに、明るい未来はあるのでしょうか?一人で生きていく道程で、周りの方々の温かな理解は得る事ができるのでしょうか?私のたった一つの願いは、これ迄、私や主人を幸せにしてくれたSunshineちゃんの人生にも、花も実もつく季節があって欲しいと言う事だけです。



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